当社は「データとデジタル技術を活用し、顧客企業のセキュリティ水準と業務効率の両立を支援する」ことをビジョンとして掲げています。
近年、生成AIやクラウド技術の発展により業務の自動化・高度化が進む一方で、サイバー攻撃や情報漏えいのリスクも増大しています。こうした環境変化は当社にとって、新たな付加価値を提供する機会であると同時に、信頼を損なうリスクでもあります。
この認識のもと、当社は以下の方向性を定めてDXを推進します。
1.データ活用の推進:業務データを一元管理・可視化し、AIや分析ツールを活用してサービス品質と生産性を高める。
2.デジタル基盤の整備:クラウド化・API連携などにより、変化に強く柔軟なシステム環境を構築する。
3.セキュリティと信頼の確保:プライバシー保護・ゼロトラスト対応などを進め、顧客やパートナーが安心してデータを共有できる環境を整える。
4.人材育成と組織変革:社員のデジタルリテラシーを高め、現場主導で改善・提案ができる体制をつくる。
これらを通じ、当社はデータとデジタルを経営資源として活用し、顧客や地域社会から信頼される持続的な成長企業を目指します。
「DX戦略の柱」
当社のDX戦略は、掲げたビジョンを実現するため、次の3つの柱を中心に段階的に推進しています。
① 顧客価値創出の深化
顧客が安全にデータを預け、業務効率化や意思決定に活用できる仕組みを共創します。
具体的には、顧客システムの運用データや障害・問合せ履歴を分析し、AIを用いた「予兆検知」や「対応効率化」を進めています。これにより、属人的な作業を減らし、サービス品質を数値で把握できる体制を構築します。
② デジタル基盤の変革
全社の業務データ(案件・人材・売上・原価等)をデータレイクで一元管理し、BIツールによる可視化を進めています。
また、クラウド基盤・API連携を活用して、社内外のデータを安全に共有できる仕組みを整備し、経営判断の迅速化と現場主導の改善を可能にします。今後は生成AIを活用したドキュメント自動作成や、RPAによる定型業務削減も段階的に導入します。
③ セキュリティ・データガバナンスの強化
顧客企業のセキュリティ対策支援を自社にも適用し、ゼロトラスト環境への移行を推進します。
アクセスログ・監査データを活用した分析により、リスクの可視化と継続的な改善を実施します。
これらを通じて、当社はデータを軸にした業務変革を実現し、「信頼されるデジタルパートナー」として持続的な成長を目指します。
「推進体制と人材育成」
当社では、DX戦略(顧客の安心と業務効率の両立を支援するデジタルサービスモデルの実現)を効果的に推進するため、経営トップを中心とした横断的な推進体制を整備している。経営会議直下に「DX推進委員会」を設置し、代表取締役が委員長として全体方針を統括する。委員会には各事業部門責任者・IT担当者・デジタル推進担当者が参画し、DXロードマップの策定、投資判断、進捗管理、成果評価を定期的に実施している。
実務面では、各部門にDXオーナーを配置し、現場の課題抽出やデータ活用施策の企画・実行を主導する体制を構築。IT部門はデータ基盤・セキュリティガバナンスを支え、DX推進委員会が全体を横断的に連携・調整する。また、クラウド、AI、データ分析などの領域で外部パートナー企業と連携し、最新技術を継続的に取り入れる。
人材面では、社内研修によるデジタルリテラシー向上、資格取得支援(情報処理安全確保支援士、DX検定等)、および外部専門家による実践支援を通じて、自立的にDXを推進できる人材の育成・確保を進めている。
「ITシステム環境整備」
当社では、DX戦略の実現に向け、最新の情報処理技術を活用するための環境整備を以下の方針で進めている。
まず、データの統合・利活用基盤として、クラウド上にデータカタログ・データレイクを整備し、「どのデータがどこにあり、どのように活用できるか」を可視化。これにより、業務部門が自律的にデータを活用できる仕組みを構築している。
次に、システム連携・拡張性の向上を目的として、マイクロサービス/API基盤を導入し、社内外のバリューチェーンとのデータ連携を迅速化。外部パートナーや顧客企業との協働による新サービス創出を支援する。
さらに、クラウドネイティブ環境への段階的移行を推進し、レガシーシステムの統合・整理による技術的負債の軽減と運用効率の向上を図る。AI・自動化技術を活用し、セキュリティ監視・業務運用の効率化を実現するほか、生成AIを活用した提案支援・社内ナレッジ共有にも取り組む。
これらの施策を体系的に進めるため、技術ロードマップと技術獲得計画を策定し、DX推進委員会の下で定期的にレビュー・更新を行う体制を整備している。
「主要目標」
当社では、DX戦略(データとデジタル技術を活用した顧客価値創出と業務効率化の両立)の実行状況を定量・定性の両面から評価するため、以下の指標(KPI)を設定し、四半期ごとにモニタリング・レビューを実施する。
① 企業価値創造に係る指標
新規デジタルサービス売上比率:全売上に占めるデジタルサービス提供による収益比率(%)
顧客満足度(CS/NPS)向上率:顧客企業に対するセキュリティ支援・業務効率化の満足度向上率(前年比)
② DX戦略実施による効果評価指標
技術的負債削減率:レガシーシステムの運用・保守コストの削減額、プロジェクト削減件数
業務効率化効果:自動化・API連携による工数削減率(%)
データ活用度指標:データカタログ登録件数、API連携数、外部データ活用案件数
③ DX戦略の進捗管理指標
データ基盤整備進捗率:データレイク・API基盤導入フェーズの達成率
DX人材・スキル指標:デジタル人材比率、再スキル取得率、デジタル研修受講率
これらのKPIは、DX推進委員会にて四半期ごとに確認・分析し、結果をもとにDXロードマップおよび投資計画を直す。
また、顧客・パートナーとの共創プロジェクトにおいても、データ活用の効果を共有・検証し、DX戦略の継続的改善につなげる。
「経営者メッセージ」
当社の実務執行総括責任者は、社長直轄の立場として、経営ビジョンおよびDX戦略の推進責任を担う。
社長名により、「データとデジタル技術を活用して顧客企業の安心と効率を両立する」という当社のDXビジョンを社内外に発信し、全社員が共通の目的意識をもって変革に取り組む体制を形成している。
【発信内容と方法】
社内向け発信:
社長メッセージ(イントラネット・全社集会)により、「DXは業務効率化のためだけでなく、顧客価値を高める経営変革である」ことを明確に共有。
加えて、実務執行総括責任者がDX推進ロードマップの進捗・成果を四半期ごとに社員ニュースレターや全社説明会で報告し、成功事例・課題・次期重点施策を公開する。
社外向け発信:
社長がプレスリリースや公式Webサイト、顧客・パートナー向けセミナーを通じてDX戦略の方向性を発信。
特に「プライバシー保護とセキュリティを基盤としたデータ活用による新たな価値創出」をテーマに、共創の姿勢を示し、顧客・パートナーとの信頼関係を強化している。
【発信体制】
発信責任者:代表取締役社長(経営方針・ビジョン)
実務執行責任者:DX推進委員長(DX戦略推進・実行報告 )
2025年11月6日